多自由度コロキウム
臨時 †
The Geometry of Quantum Information †
- Date and Place
2013年3月20日(水曜・祝日)14時から 情報科学棟 1階 第2講義室にて(戸田山研究室セミナー)
- Abstract
Quantum theory can be presented geometrically in terms of interactions
between points, lines and surfaces. I will show how this allows
elegant new descriptions of many quantum phenomena, such as quantum
measurement, teleportation, dense coding, complementarity, and quantum
erasure. This is work is based mathematically on category theory, but
the graphical approach means that the arguments are intuitive and easy
to follow. I will discuss how this work gives new insight into the
foundations of quantum theory, and explain its connections to very
recent and exciting developments in algebraic topology, such as the
recent proof of the Cobordism Hypothesis.
連続講義 †
圏論レクチャーシリーズ †
- 日程
第1回:2012年 2月 4日(土)10:00〜
第2回:2012年 3月 5日(月)14:00〜
第3回:2012年 4月13日(金)14:00〜
第4回:2012年 5月18日(金)13:00〜
第5回:2012年 6月30日(土)14:00〜
第6回:2012年11月19日(月)15:00〜
第7回:2013年 1月18日(金)15:00〜
(主催:戸田山研究室,場所:情報科学棟212号室)
第5回(12/18) †
非均質媒質中でのカシミア効果 †
- 日時
12月18日(火) 15:00〜(2時間程度を予定)
- 講演者
後藤 振一郎 氏(ランカスター大学 ポスドク)
- 要旨
カシミア効果とは、量子場の空間的境界条件に起因するマクロスコピックな力とそれに付随する物理現象のことを指す。場として電磁場、空間的境界条件として2枚の完全導体でできた無限に広い平行平板を真空中に配置する場合を考えると、平行平板間に引力が働くことが理論的、実験的に知られている。身の回りの媒質は多かれ少なかれ非均質であるにも関わらず、非均質媒質中でのカシミア効果に関して系統的な理解は得られていない。均質媒質の場合と比べ、殆ど全ての計算が技術的に困難になるからである。今回は発表は、スカラー場と電磁場による非均質媒質中のカシミア効果について報告する。系がある対称性を有する場合にある程度一般的に言えることと、対称性が無い場合は具体的にカシミア効果を計算できる系の具体例について報告する。
- 参考文献:
S. Goto, A. C. Hale, R. W. Tucker, and T. J. Walton:
Numerical regularization of electromagnetic quantum fluctuations in inhomogeneous dielectric media,
Phys. Rev. A 85, 034103 (2012).
第4回(10/11) †
トポロジカル量子現象の物理 †
- 日時
10月11日 (木) 15時00分〜 (2時間程度を予定) (← 曜日に注意!)
- 要旨
近年、自発的対称性の破れでは記述できない相としてトポロジカル相と呼ばれる相が注目を集めている。この話では、最近の成果を中心にトポロジカル量子現象の物理について解説する。
第3回(8/23) †
- 日時
8月23日(木) 10時00分〜 (2時間程度を予定)
Magnetic Net and a Bouncing Magnetic Ball †
- 要旨
Motivated by observing a tennis ball bounce off of a tennis racket we envision a parallel scenario where a magnetic ball bounces off a virtual magnetic net. A steady DC current in a closed horizontal loop casts the invisible elastic magnetic net. Contrary to a mechanical net the magnetic net continuously stays in contact with the magnetic ball. By adjusting the relevant parameters we seek for steady bounces. The equation describing the oscillation is a highly nonlinear differential equation and is symbolically unsolvable. Deploying Mathematica [1] we solve the equation numerically conducive to kinematics. Inclusion of viscosity generalizes the scope of the analysis resulting modified kinematics. We include also a 3D animation simulating the nonlinear oscillations of the magnetic ball.
http://www.springerlink.com/content/000xv70446208654/
Revisiting Magnetic Net and a Bouncing Magnetic Ball †
- 要旨
Recently the author reported the feasibility of envisioning a scenario where a massive permanent magnetic dipole bounces off and oscillates about an invisible horizontal magnetic net in the presence of gravity. The scenario has been revisited, modifying its physical contents. The modification embodies analysis of the impact of the induced current due to the falling magnetic dipole. The induced current counteracts the conduction current and alters the dynamics and kinematics of the motion. This rapid communication reports the recent advances.
http://www.scirp.org/journal/PaperInformation.aspx?paperID=20341
Swarm Intelligence Techniques for Reconstruction of Free-Form Curves and Surfaces †
- 要旨
Curve/surface reconstruction from clouds of data points is a very important task with outstanding applications in the automotive, aerospace and ship building industries, to mention just a few. It is very challenging too, as classical optimization methods fail to obtain optimal solutions for this problem. Therefore, despite intensive research in the field, there is still a lack of effective methods to carry out all the steps involved in the process. In recent years, it has been suggested that metaheuristics might be applied in order to overcome such difficulties. In this talk we explore the possibilities of some of these tehcniques, an show how they can be successfully applied to tackle this issue. The talk will show our last contributions for solving this problem along with the possibilities for future developments in the field.
第2回(8/17) †
実在するとはどういうことか:メタ形而上学研究から見えてくるもの †
- 日時
8月17日(金) 13時30分〜 (2時間程度を予定)
- 要旨
「実在とは何か」「何が存在するのか」「この世界はどのようなものなのか」。これらはどれも「哲学的」な問題の典型であろう。哲学では、こういった問題を扱う分野は「形而上学」と呼ばれるが、形而上学は必ずしも哲学の中心問題であり続けてきたわけではない。特に20世紀に入ってからは、形而上学的問題は疑似問題である、あるいは、哲学ではなく自然科学によって解明される問題である、あるいは、真に重要な哲学的問題(例えば、心や意味に関する問題)の解明には不必要だから積極的に取り組むべきではない、といった考えがが主流となり、形而上学は極めてマイナーな分野になっていった。
ところが、このような状況は20世紀の終わり頃には大きく変化し、現在では、形而上学は哲学の主要な一分野として復活している。これは単なる情勢の変化、もしくは流行のなせるわざにすぎないのだろうか。本発表では、形而上学そのものの変化に注目する。発表者がこれまで行なってきたメタ形而上学研究(形而上学についての研究)によれば、現代の形而上学は伝統的な形而上学と主題は共有しつつも、方法論が大きく異なる。すなわち、形而上学は新たな方法論を採用することにより、新たな研究プログラムとして生まれ変わったとみなしうるのである。
本発表では、このような見解に基づき、現代の形而上学がどのような研究プログラムなのか、そしてそのプログラムでは「実在」がどのようなものとみなされるかを紹介する。
- お楽しみ企画:15:30頃、コロキウムの後、みんなで「スイカ割り」を実施。
第1回(8/8) †
ローレンツ対称性がない場合の南部・ゴールドストーンモード †
- 日時
8月8日(水) 15時00分〜 (2時間程度を予定)
- 要旨
「系の連続的対称性が自発的に破れると、ギャップレスな励起モードが現れる」という南部・ゴールドストーンの定理は1960年代に構築されて以来物理学の基礎をなしてきた。素粒子物理学で通常仮定される「ローレンツ対称性」がある場合には、南部・ゴールドストーンモードの数や分散関係といった性質は詳細に理解されいた。しかし、「自発的対称性の破れ」という現象自体はローレンツ対称性がない場合にも非常に普遍的に現れる。例えば結晶や磁石、超流動はその例であり、これらの物質中に見られる南部・ゴールドストーン粒子は低温での物性を大きく左右する。その例として、「結晶の比熱は低温でT^3に比例する」というデバイのT^3則も南部・ゴールドストーン粒子すなわちフォノンに着目することにより説明される。
このような多くの具体例・応用例にもかかわらず、ローレンツ対称性がない場合の南部・ゴールドストーン粒子の数や分散関係を統一的に説明する理論は今まで構築されていなかった。今回我々は有効ラグランジャンの方法を用いてこれに成功したので、「自発的対称性の破れ」「南部・ゴールドストーンモード」といった基礎的な部分も含め概説したい。
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